銭湯
実家を離れてから,風呂に入るときは浴槽につからなくなった.
特に夏場はなおさらである.暑いし.
自分一人が20分はいるだけのために,ガスも水ももったいない気がしてしまう.
だからシャワーばっか.
だが先日,実家にかえったとき久しぶりに銭湯へいった.
一緒に行ったメンバーは女性ばかりだったので,男湯は私ひとり.
運動をする機会も減り,おなかが出てきたかなと少し恥ずかしさを覚えながら,服を脱いで風呂エリアに入る.
するとそこにいるおっさん方は,私の危惧は杞憂であるといわんばかりにおなかが出ていた.
これはアメリカを肥満大国と下に見てる場合じゃないな...などと思いつつ備え付けのリンスインシャンプーで頭を洗う.
こういうところのシャンプーは大体髪の毛きしきしするからかなしい.
泡立ちの悪いタオルで体を軽く洗ってから,久々の浴槽につかる.
すごいひま.
話す人もいない.
見るものもない.
手持無沙汰である.
最近の生活では少しでも,十数秒でも空き時間があれば,ケータイやパソコンでネットの海をふらふらしていた.
それに使う時間は,空き時間に応じて無限に増加し終わりがない.
なので,最近は何もしない時間というのを作っていなかった.
何もしない時間は目の前の情報に脳みそが縛られず,四方八方に思考が飛び回る.
ぼーーっとそういう時間を過ごしている中で,そういえば最近外から情報をえるだけで自分でほとんど頭を動かしていなかったことに銭湯にきて気づいた.
そういう時間も悪くない.
過去には無意識にそういう時間をもてていたが,きづいたら消えていた.
銭湯来るのは気が進まなかったが来てよかった.
これからは定期的に来ようかなと思った.